白倉先生の言葉
生と死



(C) YUMI SHIRAKURA

さや ママが───
ママが 殺してあげる。
のどを くびをしめて
もう二度と
息ができないように
(母 [贖いの聖者(短編)]より)

あんたなんかにはわからない。体の中に生命を宿すこと。
その命をひきずりだして、殺すこと。
(川原砂緒 [ソロモンの指環]より)

これはきっと呪いだ。ママがお兄ちゃんを殺して かけた呪いだ。
呪いを解くためサクリファイス(いけにえ)がいる。
(彼方原花歩 [贖いの聖者(書き下ろし単行本)]より)

それから あの日とおなじように
少女は濡れた砂を指にからめて
銀色の波間にきえていく
だけど僕は もうそれをとめることが───
とめることも できなかった───
(谷崎 [PUCELLE 海へ・・・]より)

こわくない
どうせいつかは 花歩も死ぬのよ
死に殺されるなら
ママに殺された方が 幸せでしょう
(母 [贖いの聖者(書き下ろし単行本)]より)

ママは キレイなコドモしか
ほしくないんだ
ママは ボクの 弟を
穢いと思ったんだ
そして ボクの弟を
中絶した──────殺してしまったんだ
(木島鷹四 [グレーテルの記憶]より)

早く…早く結婚したかったの
傷つけたり 傷つけられたりしないですむひとと
早くいっしょに暮らしたかったの……
(川原砂緒 [眩暈の森]より)

みさ子は ママが作ったものを たべたくないのよ
ママ そんな子しらないわ

あなたなんて 知らない

ママの子じゃないわ
(みさ子の母親 [グレーテルの記憶]より)

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ひとちがいじゃ ないんだ―――
彼女は
アイドル歌手の
「生紙あや可」で
先週の水曜日
ビルの7階から
身を投げて

―――死んだんだ・・・・・・・
(魚ヶ谷匡 [サクリファイス]より)


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