感想(シエル)


以下、ネタバレが含まれてます。
未プレイの方は、
以下の文章を読まないことをお勧めします。

また、吸血鬼についての知識も多少必要なので、
知らない人は吸血鬼関連のページでも読むように。
(ここでは説明しません。っていうか紙面が足りん)


永遠の悲しみに捕らわれた吸血鬼キラー

 本作サブヒロインで本名は、おそらく「エレイシア」。主人公の通う学
校の一年先輩なのだが、その正体はというとカトリック教会の埋葬機関と
いう「対異端者抹殺機関」ともとれる組織の一人。

 その活動はというと、「異端の者を排除(抹殺)する」のが目的という
かなりの武闘派集団。

 彼女が日本に、それも主人公の学校に来たのは「排除すべき者」がこの
辺りにいるからである。

 普段は何気ない素振りで良きお姉さんぶりを発揮し、校内でも教師・生
徒に受けがとても良い、一言で言えば優等生。ちなみに、主人公及び、他
の親しい連中は「シエル先輩」と呼んでいる。何故かカレーが大好物。

 しかし、それは偽りの彼女であり、彼女自身が持つ不思議な力で他人に
暗示をかけ、その場にいることを不自然と思わないようにさせている。

 といっても、元々性格的には良い人。ただし、一度戦いの場に現れよう
ものなら、その圧倒的な力で「異端の者」との凄まじい戦闘を行う。

 でも、彼女自身が持つ力というのは実は異端の力の一つであり、それ故
に、かつては埋葬機関の手によって、かなり酷い目にあわされている。

 ネタバレになるのでこの辺りは伏せますが、このシエル先輩の過去は、
あまりにも悲しい過去でした。

 それを知ってからの普段の笑顔が、痛々しく感じるほどに。

感 想

 さて、感想なのだが、「アルクェイド」シナリオ同様に、このシナリオ
も「前半」と「後半」に分かれるのだが、前半は殆どアルクェイドシナリ
オと同様なので今回は「後半のみ」の感想です。
(序盤から中盤にかけては、アルクェイドシナリオのままだし)

 ただし前半で、「アルクェイド」を殺してしまった時の、先輩との出会
いシーンはとても印象に残ってます。

 さて、では物語は中盤から。

 平凡な日常が戻ってきたかと思った所に再び起こる再び通り魔(吸血鬼)
事件。この辺りは、「アルクェイド」シナリオと一緒。しかし、今回は先
輩が中心となって物語りが進んでいきます。

 昼間は先輩と、ほのぼのとした時間を過ごし、でも夜になると妙な夢に
うなされる毎日を過ごす主人公「遠野志貴」。

 そんな中、ついに先輩は、アルクェイドと戦うことに。

 この時の先輩の姿は、それまで見せたことのない、異端者を屠る死刑執
行人の顔とでも言えばいいのでしょうか?

 その場は何とか収まったものの、後に学校で先輩はとんでもないことに
なります。

 このシーン、もし全てがCGになってたら卒倒するかもしれませんね。
(このシーンだけでなく、シナリオ全体を通して先輩って、とんでもない
目に遭いすぎ。惨いシナリオ設定だけど、それが彼女の運命だのでしょう)

 でも、これで先輩の正体が殆ど明らかになり、アルクェイドシナリオで
は語られなかった真実が徐々に明らかになってきます。

 だけど、最終的に世を騒がす吸血鬼を倒し、全てが終わりになったと思
いました。(アルクェイドもトドメを刺したわけだし)

 この時点で、私は例によって「終わり?」って思ってましたが、世の中
そうは問屋が降ろしません。(いや、この場合シナリオライターがだね)

 アルクェイドシナリオで明らかにならなかった、敵となる吸血鬼の真実。
そして、何と最後にはそのアルクェイドと戦う羽目に。

 メインヒロインが最後の大ボスですか?

 まったくもって、いやはや・・・こんなシナリオを用意してるなんて、
正直言ってびっくりです。

 そして、物語はエンディングへ。

シエル・トゥルーエンド感想

 何一つ変わりない、幸せな日々を過ごす「遠野志貴」。でも、何処かが
違う。あまりにも平凡すぎるし何かが矛盾している。

 そして、やがて気が付いてしまう。それが、夢であるということを。

 平凡な日常が続く夢を見続けた志貴。しかし、吸血鬼を自らの命をかけ
て滅ぼしたがために、志貴自身も命を落とそうとしていた。

 でも・・・それを救ったのがまさか・・・(ここ、ネタバレなので削除)

 そして、最後に目の前にいたのは徐々に蘇生していく志貴を、涙と笑み
を浮かべるシエル先輩。

 ラストシーンは、全てが終わって「ほぉ〜〜〜」という感じ。

 私は、こういう「戦いの後」って終わり方大好きなんですけどね。

シエル・グッドエンド感想

 アルクェイドに朝起こされて、何気ない(?)日常へと戻った志貴。だ
けどその日常は、以前とちょっとだけ変わってしまいました。

 全てが終わったのに、アルクェイドは城に帰らないし、シエル先輩も帰
らないし、挙げ句の果てにはアルクェイドが志貴にくっつきまくるせいで、
先輩が嫉妬までして、毎日(なのかな?)ドタバタの登校が繰り広げられ
ると。

 いわゆる、「三角関係でめでたしめでたし」という感じ。

 いや、この関係はあまりめでたくないだろうけど、全シナリオを通して
何だか一番ほっとするエンディングですね。

 この後って・・・本当に三人で旅でもするんですかね?

 そうなると、また面白いと思うんですけどねぇ。

最後に

 ということで、シエルシナリオを終了。

 どちらかといえば、アルクェイドシナリオを補完する意味合いでのシナ
リオなんでしょうか?

 アルクェイドの過去や先輩の過去も出てきたりして、全てが納得出来ち
ゃいます。

 ただ、物語はまだ終わってません。ここまでが月姫のいわゆる「表」の
ルートであり、これから「裏」のルートに入っていきます。

 さあ、そちらはどうなるか・・・主人公「遠野志貴」の過去が明らかに
なってくるんでしょうね。

 あ、ちなみに、シエル先輩って、ファン投票では人気が無いそうですが、
私は好きだったり。だって・・・眼鏡っこだし。(それかい!)


戻る