感想（森青葉）

　本作サブヒロインであり、主人公の隣の部屋に、父親と二人で住む女の
子。

　学年は主人公の一年下なのだが、通っている学校は違うのだが、毎日起
こしに来てくれたり、食事を作ってもらったりと、年齢の割にはかなり家
庭的。ただ、それは母親がいないために、彼女が家事全般を引き受けてる
為だろう。

　ちなみに彼女の父親は主人公のことを気に入ってたりもして、当然彼女
も、主人公のことが好きだったりする。

　本当に献身的で、どちらかといえば好きな相手に尽くすタイプ。しかも、
意外と押しが強い面もあり、また計算してやってたりする面もかいま見せ
るので、一概に侮れない。

感　想

　彼女のシナリオは、序盤からほのぼのと始まります。

　朝起こしに来てくれて、朝食を作ってくれて、洗濯とか主人公の健康面
まで心配してくれたりと、何ともまあ献身的だけど、その、あまりにも献
身的な姿は、妹と言うより母親に近い。

　とにかく、初めは仲の良い兄妹という感じで物語は進みます。しかし、
彼女の父親が仕事の都合で家を空けることになると寂しさからか、主人公
の部屋に入り浸りになり、寝る時だけ自分の部屋に帰るようになる。

　だけど、主人公がある一言を言ったが為に、最終的には一緒に住むよう
に。いわゆる、同棲ってやつですね。いやはや、しかし、それにしても、
この子って見かけの割には積極的だね。

　しかし、一緒に住みようになれば、当然主人公の心中は穏やかじゃない
と。目の前に、美味しそうな女の子がいれば、そりゃ年頃の男の子とすれ
ばさ、色々と問題があるわけでね。

　結局、彼女は妹だという思いを常に前面に押し出していた主人公でした
が、ある夜ついに、その一線を越えてしまいました。（というより、これ
は彼女がそうするように仕向けた気がしないでもないけど）

　一線を越えてしまうと、当然二人の生活は一気に明るいものに。

　それまで、誰もいない部屋に帰ってくるということが当たり前だった二
人にとって、誰かが帰ってくる、誰かが待っていてくれるというのは、あ
まりにも新鮮で、暖かいもの。

　家族がいるというありがたみを知る二人でした。

　しかし、例によって訪れる主人公の過去と、それに連なる運命。

　修学旅行から帰ってくると、いるはずだった彼女の姿はもうそこにはい
ませんでした。

　でも、結局最後はめでたしめでたしと。

最後に

　え〜、私が毎回毎回言ってることですが、

「妹キャラは嫌いです」（笑）

　だけど、その妹キャラであるはずの青葉ちゃんには、何故か妹という感
じで見ることがありませんでした。

　物語が進むにつれ、彼女は妹と言うより、母親か家族という感じになっ
ていきます。

　それは、彼女が年の割にはとても落ち着いていて、年下の妹というより、
年上のお姉さんという感じだからでしょう。

　芯もしっかりしてるし、押しが強かったり、決めたことは貫き通すとい
う強い面も持ってるし。（実際、希望シナリオで、希望にヤキモチを焼か
せるシーンでの台詞とか、小町シナリオでの朝の修羅場とかで、彼女の強
さや、計算高さをかいま見るシーンがありますからね）

　ということで、このシナリオは良いシナリオだという認識でした。サブ
キャラである、「かぐら」も生き生きとしてたしね。

　ただ、例によって最後が・・・

　だからね、何でそうなるのかをちゃんと説明してよ。

　途中までの流れがよかっただけに、このラストへの持って行き方がどう
しても減点材料になりますねぇ。（ONEのラストみたいじゃないか）

　まあ、とにかく、このシナリオは満足のいくものでしたよ。