感想(飯塚聡美)


以下、極力抑えてはいますがネタバレが含まれてます。
未プレイの方は読まないことをお勧めします。


聡明な文学少女

 夕方、誰もいなくなった学校に呼び出された五人の少女の一人。

 真面目で読書好きな為か、普段の何気ない会話にも、その真面目さをか
いま見ることが出来る。(例えば、常に敬語をつかってるとか)

 マニュアルによると「寂しがり屋」という要素が加わるらしく、更に家
庭を試みない両親の影響からか、「おばあちゃん子」であるとのこと。

 霊感は少ないのか、本来見えてはいけないものを見てしまうことがあま
りなく、そういう状況に出くわすと、それを「気のせい」と考える。

 だからといって、超常現象に否定的ではなく、むしろそれを科学的に解
明するような欲求を持っていたりする典型的な学者タイプの性格。

 無意識に人へ指図をする癖があって、それで人と衝突をすることが何度
かあったためか、自分で率先して動くことを意識しているらしい。

感 想

 頭が良い上に、ミステリー小説なんぞを読んでいるためか、序盤は何処
かそう言った感じの主人公になりきった気分で物語は進んでいく。

 途中途中で状況を分析し、今自分達がどういう状況に置かれているのか
を推理する辺りなど、殆ど探偵気分なのだろう。

 でも、そんな探偵ごっこは、今回の物語の上では何の役も立たない。

 推理をする聡美を、まるであざ笑うかのように次々と恐怖が襲い、いつ
しかまともな思考が働かなくなってしまう。

 それでも、必死に理性を保とうとする姿は、聡美自身の心の強さから来
るものなのだろう。本当は誰よりも弱く、甘えたがりのはずなのに。

 そして、複数あるうちの一つのエンディングでは、聡美は全てを捨てて
夢を選んでしまう。

 それは、孤独に生きてきた聡美が、新しく生まれ変わろうとする自分自
身の意志によるもの。

 そんな聡美の姿を、最後に見つめる夕維と那嵬は、何を思うのか。特に
夕維は・・・

 このシナリオでは、他にこの物語全体の根底にある原因が提示される。
それは、おそらくこの学校で過去に実際起こったこと。

 一体、過去に何があったのか?

 あの生徒名簿にある○○の写真は、一体何を意味するのか?

 全ては推測の域を出ず、結局このシナリオでも謎は謎のまま終わってし
まった。

 先にネタバレすると、結局全シナリオを通しても、この謎についてはま
るで明らかにはされなかった。

 脚本上の問題か、それとも意図したことなのか判らないが、とにかくこ
れについては、今後しっかりと考察していきたいと思います。


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