感想(小菅奈穂)


以下、ネタバレが含まれてます。
未プレイの方は、
以下の文章を読まないことをお勧めします。


永遠に成就されない約束に縛られた少女

 本作メインヒロインであり、サブタイトルになっている「永遠の約束」
の由来ともなるべき物語を持つ彼女。

 絵に描いたような優等生で教師からの信頼も厚く、性格も柔らかな口調
と、面倒見の良さが光り、とても頑張りやさんという、まさに「いい人」
を地でいく娘。

 母親に捨てられて施設で育ったという過去を持つにもかかわらず、その
影を周りに感じさせない「いい人」ぶりは、好感度大である。

感 想

 序盤は、彼女の色々な面が見られる。面倒見のよさや、優しい心。何処
を見ても、ツッコミどころのない娘であり、しかも頑張りやであるという
ことからも、この娘の物語が一体どうなって行くのかまるで予想が付かな
かった。(そもそも、こんないい娘が、どうすればOPデモのような表情
を見せるのかということが気になった)

 しかし、物語中盤から彼女自身の過去が明らかになってくると、だんだ
ん痛くなってくる。

 教師の雑用を押し付けられ、執行部という活動をし、蕎麦屋でバイトし
て、特待生であるために予習復習で良い成績をキープしなければならない
という奈穂の現実。

 疲労から倒れてしまっても、まだがんばろうとする彼女の姿と、その行
動は、もう目も当てられません。

 そして、明らかになった彼女が、がんばる理由。

 「いい子にしてれば、すぐに帰ってくる」

 それが捨てられた母親との最後の約束。その言葉を信じて、優等生で居
続ける彼女。ここまで来ると、私はもう駄目でした。感情移入しまくり。
(ただし、泣けなかったけど。何で?)

 そして終盤。母親から連絡があったということで、嬉しそうに学校を休
んで「約束の場所」へと行く奈穂。

 それを見て、私が「よかったなぁ」と思ったのもつかの間、「約束の場
所」なんて存在しないということが判り、一気に奈落の底へ。

 母を求めて彷徨い歩く奈穂。OPデモで見られた、あの姿が・・・

 そして母親と会えなかった理由を、「自分が悪い子だから」ということ
にすり替え、自身に言い聞かせ再び「永遠の約束」に縛られる彼女。

 そして、そこでかかるBGMがONEから継承される「追憶」。

 もう、たまらんですわ、このコンボは・・・

永 遠?

 ということで、感想はおしまいです。

 え?

 まだラストが残ってるって?

 だって、ラストって明らかにおかしいじゃない。

 永遠の世界に行って、帰ってきて、めでたしめでたし・・・

 はい、以上。(こらこら)

 だって、これ以上書くこと無いし、何よりも永遠へのつながりがおかし
いし。

 そもそも、物語上、永遠の世界の位置づけがおかしいっての。その前ま
での物語の流れと、永遠の世界との関連性が微弱すぎて、物語自体の収束
を邪魔してるしさ。挙げ句の果てに、とってつけたようなエロシーン?

 もう、どうでもいいです、最後は。

 そうそう、一つだけ付け加えるとしたら、

「担任教師の児玉は、
体育館裏に呼び出し決定!」

 ですね。(笑)

最後に

 物語全体を通してみると、良い物語だったかなぁと。ええ、私みたいな
悲劇好きな人間にとっては、これ以上にない出来映えだったかと。

 ラストは、「永遠の世界」に固執したあまり、シナリオに無理が生じて
しまいましたけどね。

 まあ、物語の筋としては、私の大好きな部類ですよ。

 で、最後に・・・

 OPテーマ曲は、おそらく「奈穂」のことを語った歌詞になってますね。
奈穂シナリオをクリアするとよく判ります。

 奈穂には、幸せになって欲しいですね。

 PS

 私的な意見ですが、奈穂が母親と本当に出会うという物語を作ったら面
白いかなと。(同人屋の浅はかな考えですが)


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