感想（厳島貴子シナリオ）

　さて個別シナリオ最初の感想は「厳島貴子」様から。

　彼女は、ツンデレ生徒会長の呼び声の高く、最初は明らかに瑞穂ちゃんの
ライバルとして登場します。

　頭脳明晰、容姿端麗、生徒会をまとめ上げる統率力も兼ね備えた彼女は、
本来であれば「エルダーシスター」に選ばれるべきお方。

　ところが、予想外の「瑞穂ちゃん」登場で、その座を奪われたと。
（もっとも、本人はあまり気にしてない）

　ちなみに性格はというと気位が高く、とにかく人に弱みを見せるのを嫌う。

　でも、いっつもツンツンしている冷血女。

　とまあ、そんな感じで序盤は進んでいくんですが、物語が進むにつれて、
そんな雰囲気は何処へやら。

　本当は、とても弱くて可愛い女の子です。

感　想

　とにかく最初は、ツンツンとした態度で瑞穂ちゃんに接してくる彼女。

　そんな彼女が、徐々にデレデレに変わっていく様が、このシナリオ最大の
魅力ですね。

　共通シナリオでは、何かにつけて瑞穂ちゃんと衝突する貴子さん。

　もっとも、そんな「貴子さん」も、何処か不思議な雰囲気を持ち、しかも
お美しい瑞穂ちゃんに対して一目置いているようです。

　そんな彼女の豹変は、個別シナリオである「第七話・二人のジュリエット」
から。

　一応、事前の「第五話・華麗なる陰謀劇」で、事故とはいえキスしてしま
ったことも関係してきますが・・・

　この七話で貴子さんは、とある事件で瑞穂ちゃんが男であることを知って
しまいます。

　この事件というのが、「貴子さん誘拐未遂事件」。

　それを瑞穂ちゃんが助けたんですが、その際に暴漢の持っていたナイフが、
瑞穂ちゃんの制服の胸を切り裂いちゃったという顛末。

　男であることがバレて、もう学園にいられないという瑞穂ちゃん。更に、
瑞穂ちゃんの実家は、貴子さんの実家と対立関係にある家同士というトンデ
モ設定。（これは事前の共通シナリオで判ってましたけど、貴子さんは初耳）

　まさに、学院祭で演じた「ロミオとジュリエット」そのままなわけですね。

　でも、貴子さんは、そんな瑞穂ちゃんを必死で引き留めます。

　命を助けられて、そのせいでお姉さまが学院を去ることになるなど、貴子
さんのプライド（ここではまだ自分に素直になれてない）が許さないと。

　とまあ、こんな感じでその場は収まりましたが、その後展開が大変。

　瑞穂ちゃんが男であったことを知った貴子さんは、学院祭でのことを思い
出し（キス＆裸見られた）、その場で失神。

　しかし、すっかり瑞穂ちゃんの魅力に取り憑かれた貴子さん。

　しかも初めての男性（まだキスだけ！）ということで、思いは募る一方。

　いつしか貴子さんは瑞穂ちゃんのことだけを考えるようになっていき、や
がて色々なことがあり、結局二人は本当に恋人同士になってしまいます。

　その後、最終話「ヴァレンタイン狂想曲」でも、瑞穂ちゃんと話をする度
に声を上擦るは、挙動不審になるは、挙げ句の果てに失神を繰り返すはで、
もう序盤の気位の高さは何処へやら。

　すっかりギャグキャラに変貌してしまった彼女。（笑）

　ところが、それがやがて暴走に発展。お姉さまとして振る舞う瑞穂ちゃん
の周りに集まる女子を見る度に、ヤキモチを妬いて顔を膨らませるその様は、
もうストーカー一歩手前。

　バレンタインデーも、大量にチョコを貰う瑞穂ちゃんに対し、他の人に負
けないと一生懸命チョコを作って、朝早く奇襲攻撃をかけるも、他の生徒に
出し抜かれて渡せずじまい。

　結局、その日が終わり、瑞穂ちゃんも、ご存じ「orz」のポーズで落ち込ん
じゃいました。（「本命にチョコを貰い損ねた漢の背中」とのコメント）

　しかし、夜になって貴子さんが再び来訪。

　手作りチョコケーキを渡し、挙げ句の果てには自分の体まで上げちゃいま
した。まさに、究極のバレンタインプレゼントです！
（あ、ちなみに事後、部屋の外にはデバガメが三匹いました（笑））

　とまあ、こんな感じで見てみると貴子さんは、一度好きになると周りが見
えなくなるばかりか、その相手を一途に尽くす女性ですね。

　怖いのは浮気とかした日にゃ、包丁とか持ち出す可能性もあるタイプです
が。

　そんなこんなで、二人は揃って卒業。

　そして、物語は二年後。

　二人は恋人同士どころか、すでに同棲して、挙げ句の果てには婚約までし
ている始末。

　貴子さんは、自分の実家が嫌いなので飛び出してきてしまった押し掛け女
房ですけど、瑞穂ちゃんはそんなこと気にもしません。

　現代版「ロミオとジュリエット」は、幸せな結末に至りました。

最後に

　個別シナリオとしては、この「厳島貴子」のシナリオはとても面白かった
です。

　特に、終盤の展開は面白いのなんのって。

　ツンデレキャラのデレモードは、破壊力が大きいですよ本当に。

　ふくれっ面の貴子さんなんて、もう可愛いのなんのって。

　あと、このキャラで特筆すべきは、声優さんの演技！

　すごくクオリティの高い声優さんです。

　動揺して、声が裏返った時の演技なんてもう最高！

　佐本二厘さんという方らしいです。

　今後、ちょっとファンになっちゃうかも。

　ということで、まず一番最初の個別シナリオ終了でっす！