感想(川神 一子)


以下、ネタバレが含まれてます。
未プレイの方は、
以下の文章を読まないことをお勧めします。


努力の天才武道娘

 本作品メインヒロインにして「百代」姉さんの義妹。

 主人公と同じクラスで、かつては孤児だったものの、縁あって百代の家
に引き取られることになった子です。

 義理とはいえ、さすがに武道の家に引き取られただけに、戦闘能力は高
く普通の人ではまずかないません。

 それでも、家では弱い方だってんだから怖いですね〜。

 性格は明るくて人懐っこいけど、単純で馬鹿な面も。

 あと、主人公が幼い頃から調教したせいか、「犬笛」を吹くと、何処に
いても呼び寄せることが可能。(本人が嫌がっても体が無意識に動く)

 それゆえに、あだ名は「一子(かずこ)」という名前からもじって、「
ワンコ」。(笑)  常に努力をして、強くなることを志す、まさに努力のヒロイン。

 そんな彼女の夢は、自分を養ってくれている家に、そして姉である百代
に恩返しするために、師範代となって陰から支えること。

 でも、こんな前提があるということは・・・嫌な予感がしたんですよね。

一子シナリオ感想

 個別シナリオは、序盤はともかく、中盤から終盤にかけてはつらいもの
になりました。

 彼女は努力の天才です。でも、努力だけでは到達できないことがありま
す。それは、持って生まれた才能。

 彼女が目指す師範代というのは、それこそ努力だけでなく才能があって
こそなれるもので、一子には元々その才能に恵まれていなかった。

 まあ、才能も何も「手からビームとか出す」なんていう、人外ですから
ね〜。(笑)

 彼女には、それらの才能(ビームは普通出ません)が無いため、師範代
の道をあきらめなければならなくなるという中盤の展開は、正直心苦しか
ったです。

 それでも、がむしゃらに、何とか夢を叶えようと努力を続け、それでも
その夢破れたあとの気持ちといったら・・・

 でも、そこで頼りになったのは、仲間達です。

 夢を閉ざされて自暴自棄になりかけていたのを必死になって支え、そし
て最後には新しい夢を見つけるまで側にいてくれた仲間達。

 家を支えるという夢。師範代にはなれなかったけど、別の形、それも今
まで誰もそれを実践しなかった形で夢をかなえてしまう彼女の強さ。

 今まで努力してきたからこそ、その努力に応える形でなしえた別の夢。

 このシナリオのメインとなるこの「夢」というテーマが、最後の最後ま
でしっかりと描かれていました。

 そして、エピローグでの10年後の姿は、何とも凛々しいものに。

 ちなみに主人公とは、やはり結婚して、知略の夫は議員になってたりし
ます。

 これからも、家族達を叶えた夢で支えていくことでしょう。

 しっかし、中盤は泣かされましたね、このシナリオ。

 おそらく、一番現実的なシナリオだからでしょうね。

 誰にも一度くらい、夢をあきらめることになったことがあるはずですか
ら。


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