感想(夢十夜「ななこちゃんSOS!」)


以下、ネタバレが含まれてます。
未プレイの方は、
以下の文章を読まないことをお勧めします。


最強兵器・第七聖典と乾有彦の過去の物語

 「夢十夜」五番目のシナリオが、この「ななこちゃんSOS!」です。

 まあ、題名から見てどこぞのアニメを彷彿させたりもしますが、内容の
方もドタバタ満載のコメディとなってます。

 一言で言ってしまえば、シエル先輩が何かしらの理由で紛失してしまっ
た最強兵器・第七聖典を、たまたま拾ってしまった、本編で唯一の脇役男
キャラ・「乾有彦」におこる非日常といったところですね。

 この第七聖典には半人半獣の精霊が宿っており、有彦は拾った日から何
故かその精霊の姿が見えてしまい、それに伴ってドタバタの日常になると
いう感じ。

感 想

 まあ、ほぼ全編に渡ってコメディタッチのドタバタが続くので、感想も
何もないかと思って初めはプレイしていたんですが、その中で語られる、
「乾有彦」という人物の過去と、「志貴」との出会いのエピソードはかな
り重要でしょう。

 有彦の持つ過去。本編では、ただの脇役でしかなかったですが、こいつ
かなりとんでもない体験をしています。

 目の前で人が、それも自分の肉親が死ぬということ。そんなとんでもな
い過去を持っているが故に、日常生活が粗暴になる。

 彼の過去の体験が、彼自身に与えた影響は大きいらしく、特に死という
ことに関してかなり敏感な力、とまではいかないけれども、感のようなも
のを持ってしまっています。

 そんな中で出会った遠野志貴という男。

 生粋の殺人鬼である志貴のことを、有彦は一目で「危険な死の匂いをま
とった奴」と見抜いてしまい、その結果相性が悪くなり、最後には喧嘩に
なると。

 でまあ、その先はお約束の、男同士の友情物語と。

 夕日の川原で殴り合った二人に、何故友情が生まれるか、正直言って疑
問と言えば疑問なんですが、まあ一応定番ですね、この辺は。

 こうして二人は、死の匂いをかぎ分ける奴と、死の匂いをまとったやつ
という関係を認識し、互いを認め合うことに。

 それとは別に、第七聖典の精霊・「ななこ」の過去という悲しいエピソ
ードがありますが、これもこれでかなり来ますね。

 とまあ、こんな感じの過去話が語られる中でも、第七聖典をめぐるドタ
バタがメインなので、ちょっとその話が霞んでしまってる感じがしないで
もないですな。

最後に

 正直、脇役だった「乾有彦」が、こういう裏設定を持っていたとは思い
ませんでした。

 まあ、確かに志貴と親友になるからには、それなりの「危うさ」という
のを持っていなければ無理でしょう。

 何しろ、志貴は殺人鬼なんですから。

 とまあ、感想が「乾有彦」の過去話に偏っちゃいましたが、基本的には
ドタバタのコメディですので最後まで楽しく見ましょうという感じ。

 ちなみに、「ななこ」っていうのは、有彦が第七聖典の精霊「セブン」
につけた名前です。

 セブン=ななこ

 この辺りの単純さが、有彦の性格を現してたりしますね。

 あと、聖なるものを作るために強いる犠牲。信仰というものが持つ悲し
さ。

 「ななこ」の過去は、ある意味人間の歴史で繰り返し行われてる出来事
の一つと言ってもいいでしょうね。

 この辺りを書き始めるとキリがないので、とりあえず今回はこの辺で。
(最近、何だかまとまり悪いなぁ)


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