感想（夢十夜「朱い月」）

　「夢十夜」三番目のシナリオが、この「朱い月」です。物語は千年王城
・ブリュンスタッド内でのお話。

　おそらく、この月姫における真祖（アルクェイドを含む）達の裏設定を
おおまかにだけど語ったお話。

　あくまでも夢の世界ということで、主にアルクェイドとそっくり容姿を
した「朱い月」との会話が中心で物語が語られます。

感　想

　とにかく、この物語は月姫における「真祖」の設定を語ってるので、個
人的にとても興味のあるお話。

　そもそも、吸血鬼という物語を語るに至っては「王である真祖を語らず
して何とする！」という個人的な意見もありますので。
（美夕を含む吸血鬼関連のお話は、私もある程度知識を持ってるから）

　で、読んでみての感想ですが・・・すげーですな、これ。

　神話・伝承の中にある吸血鬼（真祖）の姿を、シナリオライターなりに
解釈し、ある程度の脚色を加えてそれを裏設定にしてるのが伺えるので。

　初めはアルクェイドとそっくりの「朱い月」と出会い、容姿が同じ（髪
の毛が長いだけ）なので、私もこれがこの城の中にいるアルクェイドの姿
だと思ってましたが、実はまったくの別人であることが次第に判ってきま
す。

　もちろん、「真祖」における設定も語られ、これだけでも凄いなと思っ
ている所に、とどめと言わんばかりに映し出される、「千の鎖に身を縛り
付け眠るアルクェイド」の姿。

　その衝撃と印象度では本ゲーム屈指のシーンでしょう。

　この姿・・・これが「真祖の姫君」と呼ばれるアルクェイドの眠る姿と
は、正直言って信じられません。

　これは、王の姿と言うよりは、捕らわれた囚人の姿です。

最後に

　ということで、月姫における「真祖」の設定のお話ですが、あの「鎖に
縛り付けられるアルクェイド」の姿は、あまりにも印象的。

　あのような状態で眠るアルクェイドは、どのような夢を見てるのでしょ
うか？

　これも、吸血鬼の物語で定番と言われる「永遠の悲しみ」の一つなんで
しょうね。

　ということで、あまりにも衝撃のシーンを見せられたこのお話。吸血鬼
の物語を語る上では必須のお話なので、吸血鬼の話が好きな人は必読です。

　っていうか、読め！（命令か、こら！）

　では、今回はこれまで。