感想（ランサーズ・ヘブン）

　さて、昼間に街を歩いていると、色々なところで見かけるのが、ラン
サーです。

　ランサーは、元々お気楽な性格だったこともあってか、この平和な日
常を実に満喫している様子。

　まあ、ランサーの生きていた時代は戦いの連続だったわけですから、
平和な日常が過ごせるなんてことは夢にも思わなかったんでしょう。

　ということで、本当に楽しく日々を過ごしている彼。

　そんなある日、士郎が何気なく海にある防波堤の方へ行くと、ランサ
ーが一人、釣りをしていました。

　ちなみに、アロハシャツを着て、釣り竿垂れてるその姿は、何処かの
ヤンキー兄ちゃんみたいなんだけど。

　「何してるんだ、あんた？」というのは、士郎の質問。

　「見て判らないか」とはランサーの言葉。

　いや、ねえ、釣りをしてるようにしか見えないんだけど。

　ちなみに、釣り道具はというと、竿と糸という実にシンプルなもの。

　でも、側にあるバケツの中には、サバが大量。どうやらランサーは、
腕が良いみたいですね。

　ランサーだけに、長い得物（釣り竿）を操るのは得意なのかも。

　そこで色々と会話を続ける士郎とランサー。

　ごく普通の会話がメインでしたが、その中で笑ったのが、釣り竿一式
をどうしたのかということ。

　ランサーの返答では、ここにいた兄ちゃんから貰ったとのこと。

　ちなみに兄ちゃんとは、間桐さん家のおぼっちゃまだということ。

　ああ、そういえば、この少し前のイベントで、慎二がここで一人いじ
けてたっけ。

　あはははは、慎二、ランサーに釣り道具一式、取られたんだ！

　もう、慎二らしいねぇ。ヘタレでさぁ。

　あと、ここには時々、士郎のところの虎の姉さんも来て、魚を根こそ
ぎ持っていくとのこと。

　タイガー姉さん、そんなことまでしてるのか。

　というか、あなた教師なのに・・・

　まあ、そんな感じで、この漁港はランサーの気ままな釣り天国と化し
ているのでした。

　おしまい。

楽園に現れた赤い彗星（爆）

　って、これだけで終わるはずがない今回。

　しばらくして、士郎がまだここへ来ると・・・

　一般人が近づけない程、ギスギスした、まるで戦場のような空気が辺
りに立ちこめていました！

　というのも、ランサーの背後には赤い服を着た男が。

　はい、この物語で赤い服の男と言えばただ一人。

　そう、アーチャーが釣りに参戦です！

　しかも、その装備はランサーの竿と糸とは違い、電動リール・データ
入力方式という超最新式の釣り道具一式。

　士郎の言葉によれば、釣り場のデータさえ入力しておけばあとは勝手
に道具が魚のいる辺りに仕掛けをおろしていくという、まさに釣りに来
ているのか、機械の調子を見に来ているのか、まるで判らないという、
ハイテクフィッシングスタイル。

　もっとも、その装備一式は、全て投影魔術によるバッタ物（偽物）と
のこと。

　まあ、偽物でもアーチャーのコピーはほぼオリジナルと同じ性能を発
揮するわけだから、その辺はまるで問題なし。

　で、戦果はというと・・・

　ランサーが黙々、淡々とサバしか釣れないのに対し、アーチャーは色
々な魚が入れ食い状態。

　もう、数だけで言えば、アーチャーの圧勝です。

　しかし、この時のアーチャーが実に痛い。

　「イヤッホー」とか叫び声を上げて、すっかり童心に戻ってしまって
いるので、戦闘時に見せるあのクールな姿が想像出来ません。

　そこにいるのは、ただの迷惑な釣り人。

　しかも、トドメの台詞。

「別に、この漁港の魚を全て釣ってしまっても構わんのだろう？」

　とまあ、前作のセイバーシナリオで口にした名セリフのパロディまで
飛び出す始末。

「やれるものならやってみろ」

　とランサーも返答しますが、正直なところは、「魚が逃げるからどっ
かへ行け」と言った感じ。

　そんな二人のやりとりを見て、静かにその場を去る士郎。

　そう、ここは一般人だ立ち入っては行けない場所に変わっていました。

楽園の崩壊

　アーチャーの実に痛い姿を見ることが出来たこの場所。

　しばらくして士郎が行ってみると、そこはもはや手の付けられない殺
伐とした場所へと変貌していました。

　というか、更に人が増えてます〜〜〜〜！！！！！

　一番奥に大量の竿（しかもゴールドの竿）を揃えて陣取るのは、そう
この物語で金ピカといえば一人しかいません。

　ギルガメッシュ参戦！！！！

　大人の姿に戻った我らがギル様は、お友達になった子供達を大量に引
き連れ、何本もの竿で釣りをするというスタイル。

　その装備はアーチャーには劣る物の、圧倒的な数の差がそれを埋めて
いるのか、大漁の様子。

　そして、何よりも周りの子供達が大はしゃぎ。

　そんな子供達を見て、「あまり騒ぐな雑種共。周りのオケラ共に失礼
ではないか」と笑顔でたしなめる子供達のヒーローギル様。

　そんなギル様の言葉を聞いてるのかどうか判らない子供達は、ギルの
服を引っぱったり、ほっぺたをつねったりとやりたい放題。

　でも、まるで怒る様子のないギル様。

　本当に、子供には優しいんだなぁ、この人。

　とまあ、トンデモない奴まで現れたこの戦場。

　アーチャーはそんなギルを見て「物量作戦とは」と皮肉を漏らします。

　あ、確かにギルって戦闘でも、圧倒的な物量で相手を圧倒するのが、
戦闘スタイルでしたよね。

　そう言う意味でいくと、この釣りのスタイルって、それぞれがその持
ち味を生かした形になってるのかな？

　ランサーは竿１本で、じっくりと攻める。

　アーチャーは竿を作り出し、その性能で攻める。

　ギルは圧倒的物量で攻める。

　うんうん、出てる出てる。

　で、そのうちアーチャーとギルは、釣り勝負ということに！

　最新式の装備を持ったアーチャー。

　圧倒的物量を持ったギル。

　子供達のテンションは、どんどん上がっていきます。

「釣りの名人（アーチャーのこと）とギルの戦いだ〜！」と大騒ぎ。

　ちなみに、ランサーはというと、この騒ぎですっかり気落ちしてるの
か、一匹も釣れてないようです。

　しかも、そんなランサーの元に一人の女の子が来てこう聞きました。

「ねぇ、お兄ちゃん、釣れてる？」

　お、お嬢ちゃん、そのセリフは禁句ですよぉ〜〜〜。

「頼む、俺の楽園を返してくれ」

　項垂れて涙を流しながら呟いたランサーの言葉がそれでした。

感　想

　ということで〜〜〜〜〜。

　ランサーの楽園は、あっという間に崩壊しました〜〜。（笑）

　初めは実に良い感じで、ごく普通に平穏な日常を満喫していたのに。

　何処から狂ったんだ？

　いや、まあ、慎二の竿をぶんどった時から、こうなることが決まって
いたとか。

　まあ、悪いことは出来ないということで。

最後に・・・

　そんなわけで、今回は終了。

　いやぁ、このイベントは本当に楽しかった。

　ランサーだけの時はともかく、その後が面白い面白い。

　アーチャーが出てきたり、ギルまで参戦したりと大笑い。

　でも、大人が童心に戻ると、何でこんなに痛く見えるんだろうなぁ。