感想（バゼットとの戦い）

　夜。士郎とセイバーが巡回をしている街。

　そして、ある夜。教会に赴いたとき、ついに士郎達は出会ってしまいま
した。そう、その相手こそ、バゼットとアヴェンジャーのコンビ。

　いるはずの無い、８人目のマスター。それが実在したという驚きに士郎
が困惑していますが、バゼットらの方はまるで関係ないかのように戦いを
仕掛けてきます。

　そういえば、ここまで色々と物語が進んできましたが、この二人の戦い
方って、あまり出てきてないんですよね。

　バゼットは魔術師だけど、その実は近接戦闘に長けたボクシングスタイ
ルの格闘戦士。一方、アヴェンジャーはというと、サーヴァント相手には
まるで弱い最弱サーヴァント。

　今まで出てきたのは、この情報だけです。しかし、どうやらここで戦い
方が見られそうな予感。

　と思っている間に、アヴェンジャーが攻撃を仕掛けてきました。当然、
迎え撃つセイバー。

　しかし、今まで前に出て戦っていたはずのバゼットがなぜか動きません。

　後方に控えたまま。しかし、その体の回りを灰色の球体が旋回していま
す。それが何なのか、まるで判りません。

　士郎は警戒していますがセイバーの方は、アヴェンジャーとの戦いで精
一杯なので、そんことを気にする余裕がありませんでした。

　さて、そんな状況下ですが、アヴェンジャーとセイバーの戦いは意外に
もアヴェンジャーが大奮戦。

　ソードブレイカーと呼ばれる、独特の形状をした剣でセイバーの攻撃を
しのいでいます。もっとも、一方的におされてはいますが。

　でも、戦いがある程度進んだとき、それが起こりました。

　それは、セイバーが攻撃を繰り出した瞬間のことです。まるで、その瞬
間を待っていたかのようにアヴェンジャーの片手にある剣が、セイバーの
剣を絡めとりました。

　そう、これこそ「ソードブレイカー」と呼ばれるこの剣の扱い方。

　三本に枝分かれした形状の剣で相手の剣を絡めとり、そして剣ごと砕い
てしまうという得物。

　剣で戦うのであれば、もっとも注意しなければいけない状況に、セイバ
ーが追い込まれました。

　でも・・・「ガキン」という音と共に砕け散ったのは、アヴェンジャー
のソードブレイカーの方。

　そうです、セイバーの持つ剣は、あの名剣「エクスカリバー」。

　そんじょそこらの、わけのわからない剣とは違い、人類史上最強と言わ
れる剣なわけですから、そう簡単に砕けるはずもない。

　ということで、アヴェンジャーは次の瞬間には、体を袈裟切りにされて
いました。

　う〜ん、やっぱり弱いね、こいつ。

　でも、余裕の勝利と思っていた時、予想もしなかったことが起こりまし
た。（プレイしてる私も、これで勝ったと思ってたのに）

　それは、アヴェンジャーが宝具を発動。その名は・・・

「偽り写し示す万象」（ヴェルグアヴェスター）

　次の瞬間、セイバーが体を抑えてうずくまりました。

　何が起きたか判らない士郎（と私）にアヴェンジャーからの説明が。

　今発動させたのは、アヴェンジャーの宝具。その特性は、自身が受けた
傷を相手に返す呪い。もっとも、返すというのは完全に相手に跳ね返すの
ではなく、自分の受けた傷をそっくりそのまま相手にも反映させるという
もの。

　なんとも、トンでもないものを持っていたものですね、こいつは。

　もっとも、アヴェンジャーはこんなのは役に立たないといっています。

それは、アヴェンジャーが宝具を発動させる前に即死してしまえば、まる
で効果が得られない。

　確かに、自分の受けた傷をそのまま相手に反射させるのなら有効かもし
れませんが、瀕死の重症を受けたのを相手にも反映させるだけじゃあまり
意味はないですね。

　ところが、アヴェンジャーの役割はそれで十分なようです。なぜなら、
背後には格闘専門のバゼットが控えているのですから。

　さあ、ここでついにバゼットが動きます。鉛色の球体が魔力を放出させ、
形状を変えていきます。

　それを見てセイバーが、「エクスカリバー」の使用許可を求めてきまし
た。

　おそらく、セイバーも判っていたのでしょう。この戦いは、セイバーを
倒すことが第一の目的だということを。

　セイバーが倒されれば、残った士郎は無防備同然。しかも、今のセイバ
ーはアヴェンジャーから跳ね返ってきた傷で満足に戦えない。

　だからこそ、唯一残された攻撃手段、「エクスカリバー」を用いるしか
方法がないのだと。

　士郎もそれを理解したのか、使用の許可を出します。けれど、出力を出
来るだけ抑えての攻撃を命じました。

　剣の封印を解き、エクスカリバー発動の構えに入るセイバー。一方、そ
れを見て、ゆっくりと球体を展開させるバゼット。気がつけば、球体はい
つの間にか剣のような形を成していました。

　そして、ついに打ち出されるエクスカリバー！！！！

　出力を抑えたとはいえ、周囲一体を飲み込む強力なエネルギー弾がバゼ
ットに向かっていきますが、その一瞬遅れで、バゼットが攻撃をしました。

　それは・・・

「斬り抉る戦神の剣」（フラガラック）

　そして、次の瞬間とんでもないことが起きました。

　エクスカリバーの光が突如消滅。

　そして、確かに光に飲み込まれたはずのバゼットが悠然と同じ場所に立
っていました。

　そしてセイバーはというと・・・剣を振り下ろしたままの姿で固まって
いました。ただし、左の胸。心臓の辺りに小さな穴を開けて・・・

　まさか、と思った瞬間、セイバーは消滅。

　それはつまり、倒されたということ！？

　何が起きたのかまるで判らない士郎。

　だって、エクスカリバーは間違いなく、バゼットを吹き飛ばしたはず。
なのに、バゼットは平然としていて、逆にセイバーが倒されている。

　こんな常識に反するような出来事が目の前で起きたのですから、わけが
判らないのは当然でしょう。（私もわけが判りません）

　そして、一歩、また一歩と士郎へと歩み寄ってくるバゼット。

　殺されると思った士郎でしたが、バゼットはまるで見えていないかのよ
うに士郎の隣を通り過ぎていきました。

　やっぱり何が何やら判らない士郎。でも、それは一瞬で終わりました。

　ザックリと、何かが体を貫く感覚。

　そう、生き残っていたアヴェンジャーが、士郎にとどめをさしたのです。

　ほぼ即死状態の士郎に、アヴェンジャーが話しかけていきますが、それ
は士郎の耳には届いたのか届かないのか・・・

　まあ、少なくともプレイしている私には判りました。

「次は、勝てるやつを連れて来い」と。

感　想

　ついに実現した戦い。でも、その戦いは意外な形で決着がつきました。

　一体、何が起きたのか？

　そもそも、どうやってセイバーのエクスカリバーを防いだのか？

　バゼットとアヴェンジャー。この二人にはまだまだ秘密がありそうです。

最後に

　今までハッキリとしなかった二人の戦い方。

　その一端が垣間見えた戦いでした。しかし、まさかあのセイバーを倒す
なんて、恐るべき相手ですよ。

　でも、アヴェンジャーが最後に言ったこと。「勝てるやつ」とは一体誰
のことなのか？

　謎が謎を呼ぶ夜の戦い。

　まだまだ、物語は続きます