感想（食卓戦争）

　さて、ここで問題です。

　衛宮君家の食卓風景とは、一体どんなものでしょう？

　聖杯戦争前は、桜がお世話をしに来て、そこに藤ねえがやってくるとい
うパターンが一般的だったようですが、さてその後は・・・というか、こ
の現在の状況はどうかというと・・・

　セイバーがいてライダーがいて、凛がいてイリヤがいて・・・

　いえね、判ってはいたんですけどね。

　これ、どうみても・・・「ハーレム」だよね？（笑）

　だって、男は士郎一人だけ。

　上はお姉さまから下はロリっ娘まで、しかも何れも高スペックの持ち主
ときたものだ。

　何て羨ましいと思いきや、実はそんなでもないのが実情。

　そう、女だらけの家だと、逆に男というのは遠慮してしまうもの。

　しかも、その女性陣が皆、男より強かったりするんですから。

　ということで、それが食事ともなれば大変な騒ぎ。

　ちなみに、それぞれ食べ方にも性格が出るのが面白い。

　セイバーは自分の食べる物はしっかりキープ。（奪われる前に食べる）

　ライダーは小食で、黙々と出されたものを食べる。

　凛は静かに食事を勧める。（でも何もしない）

　桜は給仕係も兼ねてるので量は少な目だけど、ちゃんと食べてる。

　イリヤは、ご飯一つでも大騒ぎ。（士郎に話しかけたり）

　藤ねえは、片っ端から手を出すので取った取られたで大騒ぎ。

　とまあ、こんな感じで。

　あ〜、この状況、羨ましいのかどうか微妙〜〜〜。

　というか、士郎はこの状況で食事を満足に勧められるのだろうか？

　う〜〜ん・・・私だったら無理だな。

　でまあ、そんな中、ある日のこと。

　休みの日に、昼食を作ろうとした士郎が冷蔵庫の中を覗いた時でした。

　そこには、士郎が調達した覚えのない食材が山のように詰まってました。

　士郎は買い物に行っていないし、桜もこんなに沢山買ってこない。

　イリヤや凛、セイバー、ライダーにおいては論外。ということは・・・

　一応、セイバー、ライダーに聞いてみると、やはりそうでした。

　とまあ、ここまでは特別、あまり珍しいことでもなかったんですが、問
題はこの後のこと。

　セイバーとライダーの食事の嗜好などについて、士郎が質問した時でし
た。（士郎は単純に、今日の昼は何が食べたいか聞いただけなのに）

　まず、ライダーの答えは「何でも構いません」とのこと。

　セイバーは「士郎の作るものであればどんなものでも」とのこと。

　さあ、困りました。

　食事を作る側からすると、「何が食べたい」と聞いて、「何でも良い」
と答えられるのが一番辛いんですよね。

　じゃあ逆にと、「どうしても食べられないものは？」と聞くと、これま
たライダーは「特に無い」と答え、セイバーは「士郎の作ったものなら」
とまあ、困った答え。

　う〜ん、何ですかね、これは・・・

　まあ、セイバーの食の嗜好はともかく、ライダーについては食が細い上
に、今まで好みというものを聞いたことが無かったので、士郎はライダー
の好きなものを作ろうかということを考え始めました。

　でも、何を聞いても「何でもいい」としか答えないライダー。

　う〜ん・・・

　で、何とか食い下がってみると、ようやくどうしても駄目なものが一つ
出てきました。

　それは・・・蛇。

　あ〜、まあ、ライダーの正体からすれば、当たり前と言えば当たり前で
すね。

　ちなみに、衛宮家の台所には「ハブ酒」があるらしいので、それは戸棚
の奧に仕舞われてしまいました。（笑）

　でも、ここからセイバーとライダーの食についての押し問答が始まって
しまいます。

　まあ、そもそもセイバーは大抵のものは食べるんですよね。

　魚でも肉でも。あと、人によってはまるで駄目な「納豆」とかね。

　でも、その納豆について、何故かライダーが、「よくあれを食べられま
すね」と言ったのが事の発端。

　どうやらライダーは「納豆」は苦手のようです。

　士郎はその会話を聞きつつ、「駄目なものあるじゃん」とツッコミ。

　一方セイバーはというと、「あんなもの行軍中に食べたチーズや干し肉
に比べれば美味な方です」と返答。

　あ〜、確かにセイバーの時代の食事って豪華な宮廷料理なんて程遠いも
のばかりだからねぇ。

　セイバーが食事に拘る理由は、そこにあるわけだし。

　そんな会話の最中、士郎が冷蔵庫から発砲スチロールに入ったあるもの
を取り出した時、セイバーの目つきが変わりました。

　その中に入っていたのは、「タコ」。

　セイバーの目つきは、まるで怪物でも見たかのような形相。

　しかも、深海の魔魚とまで言い出す始末。

　どうやら、セイバーはタコが苦手らしいです。

　というのも以前、「たこ焼きを美味しそうに食べてたじゃないか」と聞
くと、更に形相が激しくなり、「あのぷにぷにとしたものがそうだったの
ですか！？」と更に驚く様子。

　セイバーの話では、タコは切っても切っても死ななかった魔魚とのこと。

　あ〜、確かに新鮮なタコって、切っても動き回るよね。

　で、それに対して、ライダーがツッコミを入れたりしていたところ、つ
いに両者が一触即発の状態に。

　た、食べ物一つで、何故これほどの状態になるんでしょうか、この家は。

　というところに、絶妙のタイミングで桜が帰宅。

　士郎から事の顛末を聞いた桜は、さっそく二人を止めることに。という
か、お説教モードに。

　どうやら桜は、やっぱり影の実力者みたいですね。

　以前、テーブルを壊したことを引き合いにだして二人を叱りつけてます。
（テーブル壊したのか、この二人は）

　そんな様子を見ていて安心した士郎は、タコの料理と納豆の料理を考え
ながら、昼食の献立を進めてました。

　二人の苦手を克服してもらおうということで・・・

感　想

　また、セイバーの食べ物話です。

　しかも、ライダーを交えての。

　もうねぇ、セイバーの話が絡むと、殆ど食べ物話になるのはなんでなん
でしょうね。

　でも、意外や意外、タコが駄目だったとは。

　まあ、でも料理次第でタコも美味しくなるから、きっと気に入るんでし
ょうね。

　だって、「士郎の作るものなら何でもいい」んですから。
（餌付けされてるよねぇ）