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英雄として（その１）
長かったこの凛シナリオ感想も、これで最後です。それではいってみま
しょう。
さて、セイバーがアサシンと、そして士郎がギルと死闘を演じてる頃、
凛は暴走を始めている聖杯の元へ。
でも、そんなんで怖じ気づくような凛じゃありません。このゲームの中
で、ある意味一番男っぽい彼女は呪いに満ちている沼の中へ。そして、聖
杯に辿り着き慎二を見つけだします。
このヘタレ慎二を助けるのもどうかと思うけど、まあこの場合は仕方な
いでしょうね。
とにかく、慎二を抱えて脱出を試みます。でも、さすがに男を抱えて聖
杯から逃げ出すのは一苦労。いくら凛でも、力の限界を感じ始めました。
（というか、どうみても慎二が邪魔なんだが・・・）
でも、そんな時でした。
「いいから走れ。そのような泣き言、聞く耳もたん」
という声が・・・
この声・・・この口調は・・・ひょっとして、アーチャー！？
と、思っている間に、凛の廻りに降りそそぐ閃光弾（弓？）の雨霰。そ
れは、凛を取り囲んでいた聖杯や、その呪いの水を一時的にですが、拡散
させました。
急いで沼に飛び込み、そして岸へと這い上がる凛。と、ちょうどそこへ
セイバーが駆けつけてきました。
早速、令呪でセイバーに聖杯の破壊を命ずる凛。
エクスカリバー最大出力で聖杯を破壊するセイバー。そして、役目を終
えたセイバーは（おそらく）凛の前で、消滅していきます。
ああ、このシナリオだと、こういう最後なんですねぇ・・・
とにかく、これで聖杯は破壊され、諸悪の根元が無くなりました。
英雄として（その２）
凛が慎二を救出＆聖杯を破壊している頃、士郎はギルと激戦を繰り広げ
ていました。
それは、少し前までの戦いとはまるで逆。
固有結界内で無限の剣を背後に担う士郎は、ギルを圧倒していました。
異次元の宝物庫から武器を取り出すギルに対し、士郎はその武器を見た
だけでその手に同じ物を手繰り寄せられるので、ギルよりも早く攻撃を繰
り出せます。
結果、ギルがどんな武器を出そうが、すでに背後に無限の剣を準備して
いる士郎の方が、常に先手を取れる状態。
この状況には、さすがのギルも歯がみして悔しがります。
偽物の武器とはいえ、本物の武器を持つギルを圧倒し、徐々に追いつめ
ていきます。
そして、とうとうギルは一本の剣を取り出しました。それは、ギルの持
つ最強宝具、「乖離剣・エア」。
それは唯一、この士郎の固有結界内に存在しない剣。それを見た士郎は、
アーチャーが常に使っていたあの双剣を手元に手繰り寄せ、そしてギルの
片腕を切り落とします。
当然、剣を取り落とすギル。そして、この結界内では、お前の方が強い
と言い、間合いを広げます。
一度、仕切直しでもするつもりなのでしょうが、士郎はそれを許しませ
ん。両手に双剣を持ち、再びギルに迫ります。
英雄王を圧倒し、そしてその手で倒そうという士郎。が、その瞬間でし
た。
凄まじい閃光と共に、士郎の固有結界が霧散し、元の世界に戻ってしま
いました。その閃光こそ、あのエクスカリバーの光。聖杯を破壊した証。
でも、その余波が、士郎の結界を吹き飛ばしちゃいました。（というよ
り、エクスカリバーを使ったから、凛の魔力が激減して士郎に流れ込む魔
力が無くなったからかな？）
とにかく、元の世界に戻ってしまった士郎とギル。でも、次の瞬間、と
んでもない光景が目の前に。
それは、切り落としたギルの腕の部分から、黒い穴が開き、そしてギル
を飲み込んでしまいました。
その穴は、紛れもなく聖杯の穴。前回の聖杯戦争で聖杯の力を浴びたギ
ルは、その体自体が聖杯に犯されていたということなんですかね？
とにかく、ギルは自分の体に開いた穴から逃げることも出来ず、そのま
ま飲み込まれてしまいました。
それを見て全てが終わったと、その場にへたり込む士郎。ところが次の
瞬間、穴から鎖が飛び出し、士郎の体を絡め取りました。
よく見れば、穴からギルが頭半分だけ顔を覗かせ鎖を握ってます。どう
やら、士郎を支えにしてこちら側に這い出て来る気ですね。何とも、往生
際の悪い奴です。
でも、このままじゃとてもじゃありませんけど、士郎だって持ちこたえ
られるわけありません。
と思っている時でした。（本当はこで選択肢だけど、無視します）
「……ふん。おまえの勝手だが、その前に右に避けろ」
その口調は、やはりアーチャー！？
その言葉を聞いて、咄嗟に身をかわす士郎。同時に、士郎の真横を一本
の剣がかすめていき、そしてギルの額へと突き刺さりました。
意外な物でも見たかのような表情を浮かべ、そして今度こそ本当に穴に
吸い込まれて消えるギル。それと同時に、士郎を束縛していた鎖も消え、
更に穴も消えて無くなりました。
そして、辺りは静けさを取り戻します。そう、今度こそ全てが終わりま
した。
さらば、赤い外套の騎士
全てが終わり、精根尽き果てた士郎は、そのまま地面に横たわります。
でも、その瞳には一人の男の姿が映っていました。それは、未来の自分。
自らの理想を貫き、英雄となった男。
英雄王の剣に体を貫かれながらも、まだこの世界に留まっていた赤い外
套の騎士。
そして、そんな男の側へと駆け寄っていく一人の少女の姿も。その様子
を目に焼き付けながら、士郎はゆっくりと眠りにつきます。それは、限界
を越えた戦いを行った少年の、束の間の休息でした。
そして・・・
「残念だったな。そういう訳だ、今回の聖杯は諦めろ凛」
駆け寄って来た凛に、アーチャーはそう答えました。その言葉は、召還
した時となんら変わらない、横柄な言葉使い。
でも、そんなアーチャーを見て、凛は涙ぐみます。そして、もう一度、
自分と契約をするように言いますが、アーチャーはそれを拒否しました。
もう、自分のやるべきことは終わったと言って。
気が付けば、アーチャーの姿はすでに消滅寸前。もう、時間がありませ
ん。あと数分もすれば、アーチャーは英霊が本来いるべき世界へと帰って
いきます。
でも、そんな瀬戸際にきて、凛は何も言葉に出来ませんでした。
そう、凛という少女は一流の魔術師であり、優れた人物ではあるけれど、
ここという時には機転が効かなくなります。
そして、それはこの状況でも同じでした。
でも・・・
「私を頼む。知っての通り頼りないヤツだからな。
――――君が、支えてやってくれ」
そんな凛の性格を知っているアーチャーは、そう凛に伝えました。
その言葉を聞き、凛は今後の、自らの身の振り方を定めた様子。ただ、
凛にとってただ一つ気がかりなのは、すでに英霊として存在してしまって
いる目の前のアーチャーのこと。
すでに英霊となり、過去を後悔しながらその座についているアーチャー
は、どんなことがあっても今のまま変わることがないのだと。
そして、それが凛には耐えられないことだと。でも、凛は答えました。
「わたし、頑張るから。だから、アンタも――――
――――今からでも、自分を許してあげなさい。」
その言葉を聞いたアーチャーは答えました。
「答えは得た。大丈夫だよ遠坂。オレも、これから頑張っていくから」
満面に笑みを浮かべ、そして口調も変わったアーチャー。その姿は、傍
らで眠っている少年の面影が残るものでした。
自らの理想に裏切られ、自らの存在を消そうとしたアーチャー。でも、
それは凛という少女に再び出会ったことによって、その魂が癒されたの
でしょうか。
最後の笑みは、そんな印象を残す程、美しいものでした。
凛シナリオ、Trueエンディング
全ての戦いが終わり、平穏な毎日が帰ってきました。
それは今までと変わらない日常。
今回の戦いで、巻き込まれた人々も、徐々に元の生活へと戻っていき
ます。
柳洞寺の一成君も、無事な笑顔を見せてくれました。でも、葛木先生
のことは、何だか「いなくなってもおかしくない」って感じ何だけど、
どういうこと？
まあそれはともかく、問題は慎二。どうやら無事らしく、しかも以前
より穏やかになったとか。そして、そんな兄の面倒を桜が見ていると。
で、肝心の士郎と凛はというと、学校では今まで通り。でも、多少は
仲がよくなったという素振りを見せる程度。
う〜ん、この二人、学校じゃないところじゃ何してるんだ？
そうこうしているうちに、ある日の放課後。凛に呼び出されて、学校
を卒業した後のことを聞かれました。
凛は、どうやら今回の一件で魔術師の最高学府のあるロンドンへと留
学が決まったとのこと。
一方、士郎はというと、特に何も決めてません。
でも、そんなことは百も承知の凛は士郎にこう伝えます。
自分は、特別待遇で一人前の魔術師として留学する。だから、弟子の
一人や二人、連れて行っても構わないと。
そして、それを伝えた上で、士郎に問いかけます。
「士郎は、どうするの？」と。
それまで見せたこともない、甘えるような仕草で問いかける凛。
士郎の返答は・・・ここでは画面に表示されなかったですが、もう、
決まっていました。
そして、流れ出すエンディングテーマ。ついに、凛シナリオ完結です。
何とも、甘く、そして明るい未来を感じさせる終わり方。
素晴らしいの一言ですね。
と、思ったら、エンディング後に、再び物語が。
それは、あのアインツベルンの城でのアーチャーと士郎の激闘シーン。
アーチャーが、士郎に敗北を認める直前の、アーチャーの心理状態が
語られ、そして全ての幕が下りました。
凛シナリオ、Goodエンディング
さて、このシナリオにはもう一つ、エンディングが用意されています。
それは、このエンディング。
大まかな流れは、Trueエンディングと一緒。でも、最後の最後でやっ
ぱり違います。
それは朝、眠りから覚めた士郎が、いつもの癖で道場に出向いた時で
した。
そこに一人の少女の姿が。
そう、それは消滅したと思っていたセイバー。
何が何やら判らないでいると、凛がやってきてセイバーとの契約を続
行したとのこと。
最後は、凛に連れられセイバーと士郎が光の中へと・・・
いやはや、何とも甘々なエンディングです。
三人での、賑やかな日々・・・まだまだ続いていくんでしょうね。
やっと終わった
やっと凛シナリオレビュー感想終了です。
いや、しかし・・・セイバーシナリオも長かったけど、このシナリオ
も長いこと長いこと・・・
でも、その長さに見合う密度の濃さ。
前半のキャスター戦。中盤のアーチャー戦。そして、ラストのギル戦
と、すばらしいバランスでの展開の数々。
次から次へと出てくる事実や展開に、一体、何が、どうなるのかと、
引き込まれていく一方でした。
そしてラストの、凛とアーチャーの別れ。もう、言うことないです。
さてさて、最後に全体的な感想ですが・・・セイバーシナリオでも書
いたんですが・・・
エロは何処へ？（爆）
いやね、別にいいんですよ。私、二次元のエロに興味はないから。
でも、まあ、何だか取って付けたようなあのシーンがあるだけですか
らねぇ。それに、全体の燃えシナリオによって、完全に影が薄くなって
るし。
まあ、それはそれでいいです。
さて、次回からは、いよいよラストの桜シナリオ。
これを書いてる時点で、既に終了してるのですが、一応リアルタイム
っぽい感じでお送りします。
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