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英雄達の思惑
さて、では今回もいきましょう。
凛をかっさらって、城に幽閉したアーチャー。その凛ですが、一人であ
ることを考えていました。
それは、アーチャーのこと。
凛の考えでは、アーチャー達のような英霊は、あらゆる時代から呼び出
すことが出来ると。そして、それは過去だけでなく、未来からも・・・
そう、かつて、自分が生きた時代にも・・・
え〜、もうこの時点で、「アーチャー ＝ 士郎」って図式が出来上が
っちゃったんですけど。（私の中で）
さて、そんな凛ですがアーチャーのことを考えて考えて、その結果ある
結論を出しました。それは、アーチャーに過去の自分を誇れるようになっ
てほしいと。
人々を助けるという理想を持った男は、結果的に人々の苦しむ姿しか見
れなくなり、誇りの何もかも無くしてしまっただろうから。
いやはや、それにしても、ここって悲しいですね。あと凛が、普通にい
い女してます。こういう女性に愛される男って幸せに・・・なれるかな？
（こらこら）
さて、一方、士郎達ですが、一度家に戻って一息ついた後、出陣です。
目指すは、郊外の森。アインツベルンの隠れ城。
が、士郎達はランサーのことを忘れてて、ちょっと和やかな雰囲気に。
ここは、普通に笑わせていただきました。
さて、視点が切り替わって、またまたお城。一人、物思いにふけるアー
チャーの所に来客。それは・・・
ギルガメッシュと慎二！
うわ・・・物語的に盛り上がってるところで、今一番見たくない二人が
出てきた。
ちなみに、目的は凛。慎二は、凛に何かしたくてしょうがないんでしょ
うね。（っていうか、こいいうやつ殺したいんですけど）
が、一応、士郎との戦いまでの人質ということなので、それは許さない
アーチャー。でも、士郎が着いたら役目は終わるから好きにしていいと。
う〜ん、アーチャーは、何を考えてるやら。
ちなみに、ギルはというと、そんなやりとりを見て一言、アーチャーに
こう言いました。
「偽物」（フェイカー）と。
過去と未来の自分
さて、視点が士郎に戻ります。
ついに城へと辿り着いた士郎達。そして、破壊されたロビーの階段の上
にアーチャーはたたずんでいました。
まず士郎が凛のことを聞くと、アーチャーは慎二にくれてやったと答え
ます。それを聞いて、動揺する士郎ですがランサーが名乗り出て、凛を助
けに行きました。
この時、セイバーも一緒にと言ったのですが、セイバーはこの戦いを見
届けなければならないということで、その場に留まります。
そして、ランサーが凛を救出するために城の奧へと消えた後、士郎とア
ーチャーの会話が始まりました。
アーチャーの正体。凛が士郎を助けた際に使ったペンダントが二つあっ
た理由。そして何故、凛がアーチャーを召還出来たか。
そう、それは全て一つに繋がっていました。士郎は、命の恩人ともいえ
るペンダントを生涯持ち続け、そして英雄になった後もそれを持っていた
から。
つまり、死してもなお、凛とのつながりがあったから。
アーチャーの真名。それは「英霊エミヤ」。
正義の味方になる。人々を助ける存在になる。常にそう思っている士郎
がその生涯をかけて理想を実現させた姿。
それが、アーチャーの正体でした。
でも、アーチャーは今の自分を憎んでいます。英雄になるべきではなか
ったと。
死んだ後、英霊として存在することとなったアーチャー。でも、その英
霊が呼び出される世界は常に悲しみだけに支配されていました。
人を助けるために生涯を捧げ、死後もその存在を捧げたのに、いくら助
けても悲しむ人はいなくならない。その矛盾が、次第にエミヤ自身の心を
蝕んでいったと。
そして、最後には後悔だけが残り、自分は英霊になるべきではなかった
と思うようになったと。そして、いつかその理想を持つ過去の自分を消し
去ってしまいたいと思うように・・・
だからこそ、アーチャーは士郎の命を狙い続けていたんですね。
ところが、そんなアーチャーの台詞を聞いて士郎は答えます。自分は、
どんな結果になろうとも、絶対に後悔はしないと。だから、俺とお前は
別人だと。
そんなこんなで、話し合い（言い合い？）も終わり、アーチャーは階段
を下り、ロビーへと降り立ち両手に双剣を構えます。
それを見て、士郎も同じ双剣を作り出し戦闘態勢に。
その様子を、セイバーはただ黙ってみているという状況になりました。
そして、二人の・・・過去の未熟な自分と、未来の理想を叶えた自分の
戦いの火蓋が切って落とされました。
黒幕の最期
さて、一方。凛を救出に来たランサー。今にもイタズラしそうな慎二を
ぶっ飛ばしました。ところが、そこへタイミングよく現れる黒幕の言峰神
父。
当然、凛はびっくり・・・といいつつ、何となく納得してる感じ。
言峰は、凛を聖杯として機能させるつもり（どういう意味だろう？）だ
ったけれど、もう用は無いので殺すように命令します。
ところが、それを断るランサー。いい加減に、言峰の命令にうんざりし
ていたランサーは、もうつまらない命令は聞けないと。やらせるなら、令
呪でも使うんだなと、徹底的に拒否。
どうやらランサーは、そうとう言峰のことを嫌ってる様子。ついでに言
えば、かなり凛を気に入ったみたいです。
さて、そんなランサーの答えを聞いた言峰は、令呪を使ってこう命令を
しました。
「この場で自決せよ」と。
令呪に逆らうことも出来ず、自らの槍で心臓を貫くランサー。言峰にと
って、もうランサーは必要の無い駒なのでしょうね。
ところが、伝説でもその最期の時まで、生きることを捨てなかったラン
サーの「クーフーリン」は、こんなことで簡単にはくたばりません。
地獄の道連れと言わんばかりに、最後の力で言峰の心臓を貫きました。
いや、今回は言峰、あっさり死んでくれましたね。
でも、その様子を見ていた慎二が馬鹿笑いを・・・と思ったら、ランサ
ーは慎二もぶっ飛ばして凛の戒めを解きます。
そして交わされる、ランサーと凛の会話。ランサーは、前回でもそうで
したが、その最期が実に格好いいですね。
最後に、お礼を言ってランサーと別れる凛。ランサーは満足そうにして、
その姿を見送り、城に火を放ちました。
剣製の激戦！
さて、その頃、ロビーではアーチャーと士郎の激戦が繰り広げられて
いました。しかし、戦いはやはり一方的。
マスターがおらず、力が弱まっているとはいえその生涯を通して、己
の力を鍛え上げた鉄人とも言えるアーチャーに、まだ未熟な士郎が敵う
はずがありません。
次から次へと繰り出される攻撃に、必死で対抗するものの、士郎の作
り出す剣は、次々と破壊されていきます。
そして、その度に新たに剣を作り出し戦う士郎は、もう魔力の限界に
まで達していました。
そんな中、士郎の思考にある映像が飛び込んできます。それは、アー
チャーの過去の姿。つまり、士郎にとっては未来の姿。
絞首台にかけられ、体を無数の剣に突き刺されたその最期の姿に、士
郎は吐き気を覚えます。
このままいけば、あれが自分の未来の姿なのだと。
そして、アーチャーはそんな士郎の様子を見て告げます。
正義の味方になるという士郎の思い。それは、かつて自分を助けてく
れた切嗣との約束によって作り出されたもの。
士郎が助けられた時の切嗣の笑顔。あのように人を助けて笑える人に
なりたいという思いから、そうなったのだと。でも、それは所詮、他人
の真似事だと。
ここでのアーチャーの言葉は、片っ端から士郎の心を揺さぶり、その
思いをうち砕こうとします。
ついでに言うと、アーチャーの方も、士郎に対して怒りをぶつけるだ
けになり、普段の冷静さはまるで無くなっていました。
ただ力任せに剣を振り下ろし、そしてそれを士郎が必死になって耐え
ています。
理想を叶えて、理想に裏切られた未来の自分が、その自らの愚かさを、
過去の自分自身にぶつけてるのでしょう。
そして、とうとう士郎は耐えきれず意識を失いかけてしまいます。
でも・・・意識を失う前に、士郎は自分に問いかけます。
他人の真似事でもいい。辿り着く先が、アーチャーのようであったと
してもいい。何故なら、それが自分の理想だから。
そして、今自分の理想を叶えた男が目の前にいる。それこそ、自分の
理想を阻む最大の障害として。
理想に裏切られる形になろうとも、それでも士郎はその道を進むのだ
と決意します。そして、その思いだけになった瞬間、士郎の体は再び動
き始めました。
アーチャーに負けるということ。それはつまり、自分自身に負けると
いうこと。何があったとしても、自分自身に負けることは出来ない。
それでは、理想は叶えられないと・・・
そして、士郎の逆襲が始まりました。
体が無意識に動くのであれば、剣も無意識に作り出されます。それは、
士郎の限界を超えた戦い。それを見て、アーチャーは驚愕します。
未来の自分と刃を交えているが為に、士郎はアーチャーの技術を駆け
足で身につけていっていました。
そして、その勢いを留まることを知らず、次第にアーチャーに近づい
て来ていると。
もはや、手を抜ける状態ではないと、普段の冷静さを取り戻したアー
チャーは、それこそ持てる力の全力を持って士郎を迎え撃ちます。
ところが、そのアーチャーの攻撃を、士郎はそれまでとは考えられな
いほどの剣裁きで交わしました。
そして、アーチャーは見ます。かつて、理想を求めていた時の自分の
姿を。
ただ、がむしゃらに、何も求めず、人の為にと理想を求めていたあの
頃。必死になって挑んでくる士郎に、その姿が重なり、そして次第にア
ーチャー自身の心にもその思いが蘇ります。
でも、それを必死になって否定するアーチャー。
渾身の力を込めて、士郎を倒そうとしますが、それでも士郎を倒すこ
とが出来ません。
士郎はすでに無意識のまま、ただ目の前の障害を越える為だけに戦っ
ています。その姿を見て、アーチャーはまた過去の自分を思い出します。
そして・・・必死で戦う過去の自分を見つめていたアーチャーが、そ
の姿をはっきりと見つめた瞬間でした。
士郎の繰り出した剣。アーチャーであれば、交わせたであろう攻撃。
そして、アーチャー自身も交わせると思っていた攻撃。でも、その攻撃
が・・・その剣が、アーチャーの体を貫いていました。
理想を叶えて絶望した男。
理想を求めて突き進む男。
両者の戦いは、こうして幕を下ろしました。
最強の敵
ついに敗北を認めたアーチャー。
未来を、理想を求めて突き進む士郎の思いが、アーチャーの思いをう
ち破ったと言ってもいいでしょう。
そんな両者の前に凛が戻ってきましたが、ついでにギルまで姿を現し
ました。
そして、士郎目がけて剣の雨を降らせるギル。
でも、それをかばったのがアーチャーでした。
無数の剣に体を突き刺されるアーチャー。その姿は、生前最後の姿と
酷似していました。
一方、ギルはというと、残った士郎達にとどめを刺そうというところ
で、城が火に包まれていることに気が付き、その場を離脱。しかも、慎
二を連れて・・・
どうやらギルは、慎二を聖杯として機能させるつもりです。
言峰がいなくなったっていうのに、まったく迷惑なやつだ。
いや、それ以前に、士郎ＶＳアーチャーの壮絶な戦いがあった後なの
に何とも邪魔な奴が出てきたものだと・・・
戦いは最後の舞台へ
凛シナリオ第八弾はここまで。
士郎とアーチャーの戦いは凄まじいの限りでした。
理想を叶えた自分に立ち向かう、未熟な自分。
そして、それを乗り越えた士郎の未来はどうなるのか。
それ以前に、最後に残った最強の敵とどう戦うのか。
物語は、いよいよ終盤へと向かっていきます。
ということで、今回はこれまで！
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