はい、いよいよこのレビュー感想も最終回です。（長かったなぁ）
凛を刺して正気を取り戻した桜。そこに、士郎が駆けつけてきました。
でも、桜は士郎に「自分に近づかないで」と拒絶します。
桜は、兄を殺し、祖父を殺し、姉である凛まで殺した（まあ、凛は生き
てそうだけど）、こんな自分は生きている必要がないと。
それでも士郎は桜に歩み寄ります。それは、以前の約束。
桜が悪いことをしたら、士郎は誰よりも怒ると。
そんな士郎に影が自己防衛本能なのか、攻撃をしかけます。でも、それ
を桜が意識的に動かして士郎に当たらないようにします。
そして、「姉さんを連れて逃げて」と士郎に告げますが、そんなこと聞
くわけありません。
士郎は全ての人を助ける「正義の味方」ですから、この状況になっても
その意志は変わりません。
そして、もはや限界数に達している投影魔術を発動させ、キャスターの
宝具「ルールブレイカー」を投影しました。
そして・・・
「おしおきだ。きついのいくから、歯を食いしばれ」
と言い（凄い誤解を受けそうな言葉だ）、桜の胸に突き刺しました。
これにより、桜はその体に巣くっていた影（アンリマユ）と切り離され、
元の桜に戻りました。（その影響で気を失ってしまいましたが）
でも、切り離されたからといって、それで終わりじゃありませんでした。
すでに大聖杯は起動済み。アンリマユは、何がなんでもこちら側に生ま
れてこようとしています。
そこへ、調度ライダーが駆けつけてきました。
でも、限界を超えた投影魔術・・・アーチャーの腕からの浸食により、
士郎は徐々にその生命活動を失われていました。
ライダーの名前すら判らない状況ですから。
でも、ライダーが自分達を助けに来てくれたことだけは判っているのか、
「凛と桜を連れて逃げろ」と二人を任せます。
ライダーの足なら、女二人くらいすぐに安全な場所に運び出せるでしょ
うから。でも、そこに士郎の分は入っていません。
そのことをライダーは問いかけますが、すでに思考まで浸食され、まと
もな判断が出来なくなっている士郎は、とにかく二人だけを先に連れて行
ってくれと告げます。
そして、すぐに戻ってくるという言葉を残して走り去ったライダーを見
送ったあと、士郎は大聖杯へ振り向きました。
そこにあるのは、１０年前の悪夢と同じ光景。
もし、これをこのまま放っておけば、あの再現となってしまう。それだ
けは、どうしても止めなければいけない。
失われていく思考。その中で、その思いだけは士郎の心に強く残ってい
ます。そして、士郎はこの大聖杯を破壊する為の宝具をイメージしました。
それは、あの暗黒セイバーが手にしていたエクスカリバー。でも、その
イメージが完全に出来ないほど、士郎の体は限界に達していました。
３回が限界と自身で感じていた投影魔術。
しかし、バーサーカー戦。宝石剣製造。セイバー戦。そして、さっきの
ルールブレイカーと４回の投影を行っている影響がここで出てきます。
それでも、士郎は最後の力を振り絞り、エクスカリバーを投影させまし
た。そして、それを使い、大聖杯を破壊しました。
大音響と崩れ去る地下大空洞。消滅していく、大聖杯。
そして・・・その中から、士郎は戻ってくることはありませんでした。
さて、桜シナリオをクリアしたものの、あの状況ではどう見てもハッピ
ーエンドではないでしょう。
確認してみると思った通り、「ノーマルエンド」でした。
つまり、このシナリオにも、もう一つエンディングが存在するというこ
と。
ということで、ここからもう一つの結末が始まります。
物語は、限界を超えた投影魔術を使い、意識を失いかけているにも関わ
らず、大聖杯へと立ち向かう士郎のシーンからでした。
最強宝具投影の準備に入った士郎。でも、その前に一人の男が立ちふさ
がりました。それは・・・言峰！
いつもの法衣を脱ぎ、戦闘態勢に入っているその姿。そんな言峰の標的
は、明らかに士郎でした。
何故こんな邪魔をするのかという士郎の問いに言峰は、「生まれてくる
ものが、どのようなものであっても祝福する」という、以前言っていた自
身の言葉を知ろうに対して答えました。
生まれてくる者に罪はない。だから、例え何者であろうと、それを妨げ
る資格は無いと。
一方、士郎は当然のことながら、その言葉が理解出来ません。
生まれてくれば、確実に世界を滅ぼす者を生まれさせるわけにはいかな
いと。
そして、両者は戦闘を開始。それは、互いの拳をぶつけ合う、ただの殴
り合いでした。でも、引くわけには生きません。
士郎と言峰。まったく対極に位置する関係ですが、その思いは同じ。た
だ、己の信念を貫く。そこに立ちふさがる者がいれば、それを乗り越えて
いく。その思いが、戦う両者の中にありました。
さて、そんな二人が戦っている中、視点が切り替わりました。そこにい
たのは・・・あの妖怪じじい！
桜に潰されてもまだ生きていた様子で、まだ諦めてはいない様子。でも、
そこに白い衣装を纏ったイリヤが姿を現しました。
これが、以前イリヤが言っていた正装なのでしょうね。
そして、イリヤは臓硯に問います。何故、永遠の生を求めるのかと。
その言葉は、臓硯の胸に突き刺さり、かつて大聖杯の生贄となった、ア
インツベルンのマスター、「ユースティツァ」を想像させました。
そして、イリヤの言葉から、自らが生を求める理由に何か意味があった
のかと思いながら、静かに活動を停止。
臓硯の爺さんも、結局は聖杯に踊らされた人物の一人だったということ
でしょうか。
しかし、この妖怪にも、こんな過去があったとは・・・
さて、一方、士郎と言峰の戦い。
こちらは、体格と戦闘技術の差で、圧倒的に言峰が有利でした。でも、
何度倒されても立ち上がる士郎。
やがて、言峰に異変が起こりました。それは、大聖杯が生まれようとし
て、言峰の生命力を奪っていったらしいです。
元々、１０年前に死に、大聖杯の力で蘇った言峰。その命も大聖杯に握
られているのでしょう。
とにかく、倒されても立ち上がった士郎に軍配があがり、ここでようや
く障害が無くなりました。
でも、意識は朦朧とし、もはや立っているのもやっとの状態。
それでも、大聖杯を破壊すべく、最後の投影準備に入りました。
ところが、そんな士郎の前に現れたのが、あのイリヤでした。
もう、まともに目も見ず、思考も働かなくなった士郎には、それが誰だ
か判りません。
そんな士郎にイリヤは告げます。
「これは、自分の役目だから」と。
更に、イリヤは士郎が以前言っていたことを口にします。
それは、「兄貴は妹を守るもの」だと。
イリヤはこう答えました。
「自分はお姉ちゃんだから、弟を守らなきゃと」
ここにきて、何だか謎っぽい言葉ですが、とにかくこの言葉を聞いて、
士郎はイリヤのことを思い出します。vv
そして、必死にイリヤの名前を呼びますが、次第に意識が遠のいていき
ました。
士郎はそのまま、水の中（柳洞寺の池かな？）に放り込まれ、外へと脱
出。一方、イリヤはというと、自らの役目を果たすために大聖杯の扉を閉
じました。
崩壊する大聖杯と地下大空洞。それは、全てが終わったことを意味して
いました。
そして・・・舞台は戦いから２年後。ロンドンへ留学していた凛の視点
で、最後の物語が語られます。
ロンドンから帰ってきた凛は、一度家に寄った後、士郎の家へ。
そこで、まだ桜のサーヴァントをしているライダーを見てびっくり。
というか、私もびっくり。（笑）
武装解除したライダーって、凄い美人でした。それは、凛も認めるくら
いに。
それはさておき、居間へ行くと、今度は藤ねえと桜が登場。お二人とも
元気な様子です。特に桜はね。
そして、ここまで生死不明だった士郎ですが見事に登場。無事だったん
ですね、やっぱり。
凛の説明では、あの戦いの後、士郎の体はすでに死滅寸前だった。でも、
魂を新しい体（イリヤみたいな人造の体）に入れ替えることにより、生き
ながらえることが出来たと。
色々と複雑な状況になりましたが、まあ全員無事だったということで、
今は平穏な毎日を送っていると。
そして、凛は桜に問いかけます。「幸せ？」と。
その問いかけに、満面の笑みで「はい」と答える桜。
それは、物心ついた時から、目も当てられない不幸に見舞われていた桜
の、心からの笑みでした。
そして場面は変わり、皆が桜の花が舞う木々を眺めるというシーンが現
れ、そしてエンディングへ。
美しい・・・本当に美しい、終演でした。