|
すれ違う二人
前置きは省略。（この前置き、だんだん荒んでくるなぁ（笑））
教会に出向いたものの、聖杯戦争のシステム以外、特にこれといった情
報を仕入れられなかった士郎。
この日は、何事も無く帰宅出来ましたが、その帰ってくる道で、ずっと
あることを考えていました。
それは、セイバーのこと。
この辺りは、もうすっかりラブコメ状態で、士郎は「セイバーのことを
好きだ」と結論づけてしまいます。
いや、まあ、こうなるのはある程度予想がついてましたが。
ちなみに家に着くと、凛が待っていました。どうやら、士郎の行動は凛
には、全てお見通しみたいだったようで。
で、セイバーについてどうするのかと聞かれた士郎はこう答えます。
「明日、セイバーとデートする」
え〜と、士郎君。私、あなたの思考が、イマイチ理解出来ないんですが。
何というか、直情的というか・・・ちなみに、凛も大笑いしてました。
さて翌日。笑いこらえてる凛に見送られ、デートに出かける士郎とセイ
バー。
デート中は、それなりにいい雰囲気になったりしてました。
そんなこんなで和やかな一日が終わりましたが、帰り際にある一言によ
って、二人は口論になってしまいます。
それは、聖杯の使い道について。
士郎は「王の選定のやり直し」などではなく、もっと自分の為になるこ
とを願うべきだとセイバーを諭します。
過去を変えることは出来ないと主張する士郎に対し、何が何でも自身の
過ちを正そうと願うセイバー。
でも、二人の意見はまるで平行線のまま。しまいには、セイバーが士郎
の言葉全てを拒絶してしまい、士郎も士郎でセイバーを放っておいて、一
人家に帰って来ちゃいました。
（しかし、原因が何であれ女一人残して帰ってくるってのはどうかね？）
家に帰ると、そのままフテ寝。子供ですか、あなたは。
しかし、再び目が覚めると家にセイバーの姿はありませんでした。
時計を見ると１０時過ぎ。セイバーと別れてから、５時間も経過してい
ます。
急いでセイバーを探しに行く士郎。一方、セイバーはというと、別れた
場所（橋の上）にずっとたたずんでいました。
時間も忘れ、ただ士郎に言われたことを考えていたセイバー。実際のと
ころ、セイバーも判ってるんじゃないですかね。自分の願いが、間違って
いるということが。
さて、そんなセイバーに対し、士郎は何も聞かず優しく手を取って帰ろ
うとします。
喧嘩別れしつつも、こうやって元の鞘に収まる二人。何というか、日々
時間が経つにつれて、二人の関係が親密になっていくような、そんな感じ
です。
が、そんな時、いい雰囲気に水を差す奴が現れました。
二人の前に現れたのが、あの金ピカ野郎。この時は、何と私服。しかも、
白いコートなんか羽織って、その風情はどう見てもホスト。
ちなみに、後で気が付いたんですが、この男、プロローグにちょっとだ
け出てきてた奴です。
う〜ん、そんな遙か昔の伏線、もう覚えてないっての。
さて、当然のように戦闘態勢に入ろうとするセイバーですが、力の弱っ
ているセイバーを庇うように士郎が男の前に立ちふさがります。
そして、セイバーに逃げるように言う士郎。当然のように拒むセイバー
ですが、士郎は直感していました。今、この男とセイバーが戦うのはまず
いと。今のセイバーでは勝てる訳がないと。
だから、自分が守らなきゃいけないといったところですが、当然のこと
ながら、サーヴァント相手に士郎が歯が立つはずもなく、何だか訳の判ら
ない攻撃であっさりとはじき飛ばされ、身動きが取れなくなっちゃいまし
た。
そして、男はセイバーにその視線を向け、こう言います。
「自分の物になれ」と。
ちなみに、ここまでこの男の言葉をずっと聞いてたんですが、何という
か「唯我独尊」を地でいく男のようで、一言一言が明らかに命令形。上か
ら見下ろすかのような言葉づかい。それをセイバーに対しても続けるので、
一々（私が）癪に障ります。
そして、ついに武装して戦闘態勢に入るセイバー。動けない体で、必死
にそれを止めようとする士郎。
でも、マスターを守るという使命があるセイバーにその声が届くはずあ
りません。男も、例の金ピカ甲冑に身を包み、こちらも戦闘態勢。
１０年前の再現とも言うべき両者の激突が、今ここで始まりました。
その名は、英雄王
さて戦いですが、序盤はセイバーの一方的な展開。男は防御一辺倒で、
セイバーの攻撃から身を守り続けます。
セイバーの視えない剣が、ことごとく男の甲冑に当たり、その度に火花
が散るその様子を見て、勝てると思った士郎。
ですが、やっぱりそのまま待ってくれるはずがありませんでした。
「これ以上は、この甲冑が持たない」と言い放った男は、最後の一撃を
と突っ込んでくるセイバーを視つつ言いました。
「王の財宝」（ゲート オブ バビロン）
その言葉と同時に、男の背後に現れる剣。その剣で、セイバーの攻撃は
弾かれました。そして、更にもう片方の手でもう一本の剣を持ち、セイバ
ーを攻撃。
その攻撃を受けて、セイバーは傷を受けます。そして、同時に男の姿を
見て驚いたのは士郎。
男の背後には歪んだ空間があり、そこから無数の剣の柄の部分だけが顔
を除かせていました。
そのどれもが先日、キャスターを串刺しにした宝具であるということを
理解するセイバー。しかし、当然のことながら疑問が生まれます。
これほど大量に宝具を持つ英雄が存在するのかと。
セイバーは男に、お前は何者かのかと問いかけますが、男は遠回しに言
うだけではっきりしません。
そんな会話が交わされている中、士郎だけは冷静にその宝具を分析して
いました。
これは、士郎が持つ魔術の特性。物の構造を把握する能力の応用でしょ
う。そして、その能力が導き出した結果が、それらの宝具は全て本物であ
るということ。
でも、本物である以上に、その存在そのものに更に力を感じる士郎。そ
して最後に、ある結論に至りました。
それは「原型」。
世界に散らばる「宝具」と呼ばれる物には、元となった「原型」が存在
します。そして、その原型を持つ英雄に士郎は心当たりがありました。
その士郎の様子に気が付いたのか、男は少しだけ関心した言葉を投げか
けてきました。
そして告げます。自分は、世界の全てを手に入れた者であると。
その言葉を聞いて、セイバーもある結論に達しました。宝具の元となる
物を持つ英雄。人類の歴史上唯一、世界を一つに統率した最古の英雄。
その名は、「ギルガメッシュ」。
世界を支配し、世界中のあらゆる財宝を手に入れた最大にして最高の英
雄王。それが、この男の正体でした。
（ちなみに、私はこいつの事は知りませんでした）
さて、それを聞いてもなお、戦いをやめようとしないセイバー。当然と
言えば当然ですが力の差は歴然。
セイバーは決意したのか、手にした剣が徐々にその姿を現します。そう、
それは「エクスカリバー」発動の構え。
その様子を見て、慌てたのは士郎。この状態でエクスカリバーを使うと
いうことは、セイバーも捨て身であるということですからね。
さて一方のギルガメッシュですが、そのセイバーの姿を見て、自分も最
高の武器を持って答えようということで、一振りの剣を取り出します。
それは、ギルガメッシュ自身も名前を持たないという剣。ただ「エア」
と呼んでいるという奇妙な形をした剣でした。
その剣の威力がどれくらいのものなのか、その構造を読もうとする士郎
ですが、何故かその剣だけは構造が読めません。
セイバーとギル（名前が長いから省略）の距離は、１０メートル。この
超至近距離で、互いに最強宝具を発動させます。
そして、互いの宝具の力がぶつかり合い、辺りが閃光に包まれました。
惨劇からの帰還
宝具同士の激突による閃光。それは僅か数秒で消え、その余波による砂
煙が辺りに立ちこめています。
そんな中、ガシャンという音と共に士郎の近くに、何かが落ちてきまし
た。
砂煙が晴れていき、それが何なのかを見て愕然とする士郎。そう、落ち
てきたそれは・・・
全身ボロボロになったセイバーでした。
動かない体で、必死にセイバーの名を呼ぶ士郎。セイバーは何とか意識
はあるものの、体はもう動ける状態ではありませんでした。
その様子を見て、高笑いをするギル。
セイバーのエクスカリバーと、ギルのエア。両者の持つ最大宝具の激突
は、圧倒的力の差でギルの勝利に終わったということです。
エクスカリバーのエネルギー弾をはじき返し、エアの直撃を受けたセイ
バーはそれこそ虫の息。完全に戦闘不能。
そんなセイバーの元に歩み寄っていくギル。どうやら、このままセイバ
ーを連れて行きそうな雰囲気ですが、士郎が動かない体に鞭を打ってその
前に立ちはだかります。
その様子を見て、セイバーも苦しげに声を発します。「逃げろ」と。
でも、今度は士郎が聞く耳を持ちません。そりゃ、自分の好きな相手を
連れて行かれそうになったら、黙ってはいられませんよね。
そして、凛から使うなと忠告されていた「投影魔術」を使い、再びセイ
バーの剣「カリバーン」を作り出し、ギルに挑む士郎。
ギルはそんな士郎の相手をしていましたが、最後にはそのカリバーンの
元となる剣を手に取り、士郎に斬りかかります。
結果・・・士郎は受けた剣ごと真っ二つにされました。
所詮は、複製品。原型となった本物の前には、受け止めることさえ出来
なかったと。
しかも、そのまま左の肩口から腹部辺りまで切り裂かれ、腕はただ肉で
繋がっているというだけになった士郎。
そんな状態でも、士郎は立ち上がります。それはもう、無謀としか言い
ようの無い状態。
あのバーサーカーさえも倒した剣ですら、目の前の相手にはまるで歯が
立たないのですから、士郎には何も残っていません。
それでもなお、士郎はギルの前に立ちふさがります。それを目障りに思
ったギルは、宝具の一つを取り出し、士郎にトドメを刺そうとしました。
でも、その瞬間。
一瞬の閃光と同時に現れた何か。それが何なのか、士郎には判りません。
しかし、その何かを見たセイバーは咄嗟に士郎の元まで駆け寄り、その
何かを使用しました。
結果、ギルは自ら放った宝具の力を受けて甲冑を損傷。多少の手傷を負
った様子。忌々しげに二人を見たあと、その場から離脱していきました。
それを不思議がる士郎。一体何が起こったのかまるで判らなかったから
です。
ただ、倒れそうになる士郎の体を、セイバーが抱き留めて言いました。
「士郎は、私の鞘だったのですね」と。
う〜ん・・・
第７弾はここまで。
第８のサーヴァント。その正体は、人類最古の英雄王でした。
しかも、有り余る宝具を湯水のように使う恐るべき相手。
でも、その相手が撤退せざるを得ないものを士郎は持っているみたいで
す。それは一体なんなのか？
物語は、いよいよラストに向けて動き始めました。
ということで、もうすぐクライマックスです。
|